<お役立ちメニュー>賃貸の家賃が時期によって高くなることもあるブログ:09月08日
俺は普通とは少し違う育ち方をした。
俺は幼い頃に養子縁組された。
養父母、養祖父母、みんなが俺を気にかけて、
俺を思い、大事にしてくれた。
俺は幸せだった。
でも…
自分は養女なのだと知った、
その日の記憶は、
今でもおぼろげに残っている。
「そうなんだ、ふぅん…」
まだ、俺は小学校に上がる前だったように思う。
幼いながらに動揺し、
その心の揺れを感じ取られまいと、
気丈に振舞った記憶がある。
事実を知った日から、
周囲に遠慮や義務感を覚え、
みんなを悲しませてはいけない…
俺はそう思って生きてきた。
育ての親にも、産みの親にも気を使う自分にうんざりし、
どうして自分はこんな境遇なのかと憤ったが、
そんな気持ちは押し隠してきた。
そして今、
子育てに追われる日々、
時折、幼少の頃の俺が顔を出す。
いまだに過去にとらわれている自分を情けなく思うが、
本当はまだ、過ぎ去ってはいないのだ。
俺の思いは現在に続いていて、
永遠に満たされることはないのだろうか…と、
鬱な気分に陥る。
一昨日、夫婦喧嘩をした。
夫は、
「釣りに行ってくる」と言い残し、
さっさと気分転換に出掛けてしまった。
俺にはお子さんがいる。
俺のそばを一時も離れない。
俺はここでじっと我慢するしかないの!
夫に対する怒りは、
やがて、自分の過去への憤りに変わった。
19時遅く、電気を消し、
そして、泣けるだけ泣いた。
しばらくして、
ふと…何か温かい風が吹いたように感じて顔をあげると、
3歳になるムスコがそこにいた。
うずくまり、
ミノムシみたいな格好で泣いている俺の顔を覗き込み、
ムスコは両手を広げて、
ぎゅうっと抱きしめてくれた。